鬼と月と赤い砂漠20

鬼と月と赤い砂漠20

二ば毬を

金の鍵とシルクハットのきりぎりす

 鬼のおかあさんは、こ鬼をせおいながら白

い羽根の上をずんずんと歩いていきました。

 どこまでもいっても、砂と、白い羽根ばかり

だわ。はたしてこのまま進んでいってもいい

ものかしら。ああ、誰でもいい、ここからつ

れだしてほしい。鬼のおかあさんは、そうお

もいながらも、ずっとずっとはてがあるのか

ないのかわからない赤い砂漠の上を歩きつづ

けました。

 白い羽根ばかりのところをすぎると、それ

でもついには、不思議な白いもらやもやの中に

たどりつきました。(鬼のおかあさんは知り

ませんが、おそらく最初にこ鬼がみた白いも

やもやとおなじものでしょう)

 白いもやもやの前にはとてもちいさい不思

議なかたちの赤い扉がほっそりとたっていま

した。

 鬼のおかあさんは、背負っているこ鬼を静

かにたくさんの羽根のなかにおろしました。

 羽根はうわわわわわっとしずかにまいあがっ

て、こ鬼の顔を隠しました。

 「なんてところかしら」「いままでこんな

怖いおもいをしたことがあるかしら」

 鬼のおかあさんはその不思議な扉に手をか

けました。

 扉のむこうには何が待っているのでしょう。


 影のようなみかけとはちがって、小さな扉

はとてもがんじょうそうでした。

 こ鬼のおかあさんはためしに鬼のちから腕

でどんどんとそのがんじょうな扉をたたいて

みました。「だれもいないのかしら」

 扉はびくともしませんでした。

 扉にはちいさな鍵穴がついていました。

 鬼のおかあさんはその鍵穴をのぞきこみま

した。
 
 鍵穴のむこうは真っ暗で何もみませんで

した。

 鬼のおかあさんがそうやって鍵穴をのぞき

こんでいると、とんとんと誰かが鬼のおかあさ

さんの肩をたたきました。

 鬼のおかあさんはびくっとしながらうしろ

をふりむきました。

 キリンのように首の長いおおきな背のきり

ぎりすがそこにはたっていました。

つづく
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by junko-oo1 | 2007-02-01 15:42


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